日本遺産:会津若松の観音
日本はお寺や神社で有名で、京都の清水寺や東京の明治神宮などは聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。しかし、一般的な旅行者は、伝統や風習、歴史、そして現在見られるものの背景にある物語について、どれくらい知っているのでしょうか。
多くの旅行者は旅行中にいくつかの寺や神社を選ぶだけですが、日本では巡礼や、特定の地域に集まったいくつもの寺を訪れることは、長い歴史を持つ風習です。特に日本の歴史の中で人気があるのは、観音菩薩を祀る巡礼です。観音は日本では一般的な人物であり、慈悲と慈悲の女神として知られています。観音巡礼は一般的に三十三ヶ所のお寺で行われますが、その中には十一面観音、馬を頭に乗せた馬頭観音、片手に蓮のつぼみを持った正観音など三十三の姿があるとお経に書かれているほか、無病息災、安産・育児などのご利益があるとされるいくつかのお寺があります。
福島県会津若松市の「会津三十三観音巡礼」は、特に興味深い歴史を持っています。会津三十三観音は、会津藩初代藩主の保科正之によって創建されたものです。
保科は、国民のために統治し、日本初の年金制度や防災対策などを実施したことで知られる崇高な統治者でした。統治時代の巡礼は、観音様のご加護を受けることができると信じて行われていましたが、それには観光的な要素も含まれていました。時には2ヶ月にも及ぶ旅行をして、各地のお寺で観音様をお参りしたのです。しかし、そのために藩外や他藩に資金が流出してしまうという問題がありまた。そこで保科は、藩内に観音様に祈願するための霊場を設置し、道路の整備や増改築を行いました。また、人々がより容易に巡礼路を行き来できるように、巡礼路に沿って道路や旅館を整備・増築しました。このようにして、この地は会津地方の人々だけでなく、近隣の藩の人々にも人気のある巡礼地となっていったのです。
お寺巡りは、スピリチュアルな目的でも観光の目的でも、今でも人気があります。また、お寺を訪れると、朱と墨で書かれた書院と呼ばれるものを手に入れることができます。一枚一枚が個性的で、多くの旅行者は、できるだけ多くの水墨を集めて、訪れた証として冊子に入れておくことを目標にしています。
会津三十三ヶ所の観音巡りは2日間で可能だが、それではタイトなスケジュールになってしまう。しかし、見逃せないスポットがいくつかあります。
一つは、会津遍路の第21番観音である佐久足観音です。臨済宗佐久足山観音寺にあり、830年に創建されたとされる由緒ある観音です。お寺自体は3階建てで山の中腹に直接建っており、中には石造りのクビナシ観音が祀られています。標高の高い場所にあり、お寺のベランダからの眺めは絶景です。
巡礼の第29番札所である鈴虫林観音は、天台宗雷電山法要寺にあります。このお寺は、720年に創建されたとされる会津地方で最も古いお寺の一つです。実は、807年に円通寺が建立されるまでは、この寺が会津の仏教の拠点とされていました。祀られているのは十一面観音で、木造の金剛力士立像もあります。また、この寺には三重塔があり、会津に現存する唯一の塔であり、福島県で最も美しい塔として知られています。
巡礼路にある三十三ヶ所のお寺の他にも、この地域には観音が祀られているお寺がいくつかあります。その中でも特に見事なのが如法寺で、その中には鳥居正観音が祀られています。
このお寺の配置は独特で、山門をくぐった後、お寺に入って右手にある仏像に祈りを捧げる。通常のお寺では、この仏像は正面に置かれており、参拝後は来た道を引き返します。しかし、ここでは、参拝者はお祈りをした後、まっすぐにお寺の中を通り、反対側に出ます。これは、観音様が西にあるといわれる極楽浄土へと人々を導くことを象徴しています。このような構造物は日本ではこれだけです。
また、日光の東照宮で有名なひだり甚五郎の彫刻もあります。作品全体としては「隠れ三猿」と呼ばれています。一枚目は鷹に食べられないように隠れている猿が描かれており、これは不幸を表しています。二番目の彫刻にも猿と鷹が描かれているが、ここでは鷹が猿を見失っている。これは猿が不幸から逃れたことを表しています。
三番目と最後の彫刻は、安らかに暮らす猿を描いています。ここには鷹がいないので、猿はようやく不幸から逃れて安らかになったことを表している。三匹目の猿は腕の上で頭を休めて寝ており、牡丹のつぼみを模して彫られており、わざと見つけにくいようにしている。この三猿を見つけることができれば、牡丹の硬い蕾がだんだんと開いていくのと同じように、幸運が開花すると言われています。
妙法寺に祀られているのは鳥居正観音ですが、他にも古代の金剛力士像やダキツキ柱、樹齢1,200年の巨大な傘松なども見ることができます。木造の金剛力士像は「みがわりのなで仏」と呼ばれており、これを撫でて自分の体に同じようにすると、仏が身代わりとなって病気や病気の身代わりになってくれると言われています。一方、ダキツキ柱を抱くことで、仏様との縁が結ばれ、縁結びの相手に導かれると言われています。傘松は東北地方全体で最も大きな木です。
福島県西会津町にある如法寺は、平安時代に徳一大師によって創建された寺院です。「鳥追観音」と呼ばれ、「会津三十三観音」のひとつに数えられています。また、仏様をなでて祈願すると「ころり」と大往生でき...
巡礼は面白そうだけど、三十三箇所のお寺を巡るのは面倒くさい...という方にも安心してください。重要文化財に指定されているこのお寺では、参拝者は建物の中にいながらにして三十三観音を拝むことができます。興味深いのは建物の構造で、二重螺旋状に建てられているため、上る人と下る人がすれ違うことがなく、全員が安心して参拝することができます。実際、木造で二重螺旋構造の建物は世界で唯一残されています。
また、江戸時代からの歴史的建造物が残る大内宿も会津ならではの魅力のひとつ。ここでは、伝統的な茅葺き屋根の建物の中に、様々なお店や飲食店が入っています。また、日本家屋を利用した宿もいくつかあり、日本家屋に泊まりながら手料理を食べることができます。
During the Edo period, Ouchi-juku operated as a lodging town for travelers making their way to an...
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福島県は、お寺や仏教と聞かれたときに最初に思い浮かべる場所ではないかもしれませんし、2番目に思い浮かべる場所でもないかもしれませんが、そこには豊かな歴史と文化があり、体験できるのを待っているのです。
日本遺産
日本には、有形無形の文化財や史跡がひとつの物語でつながる「日本遺産」が全国にあります。会津若松の観音も日本遺産として指定されています。会津三十三観音の詳細や、その他の日本遺産については、下記のリンクをご覧ください。
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