日本美術シリーズ1:与謝蕪村「案山子画賛」
2020/09/03
2020/09/11
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「案山子画賛」について
紙本 水墨 松村呉春極書(本紙 98×27㎝ 全体 182×30㎝)
賛文を読むと、本作は小野小町の逸話の一つである「雨乞小町」に着想を得ていることがわかります。勢いのある筆致で描かれた案山子は、まるで嵐の前触れのようです。先月ご紹介した「高士閑適図」が細部まで書き込まれた作品であるのに対して、本作は好対照とも言えるシンプルな画面構図をとっています。それゆえにいっそう臨場感を持ち、見るものの想像力を刺激します。これこそ蕪村の成した俳画の醍醐味であり、本作はその魅力がいかんなく発揮された作品といえます。
作家:与謝蕪村(よさ ぶそん)
(1716~1784)江戸中ー後期の俳人、画家。摂津生。初め谷口氏、のち与謝に改姓。俳号は宰鳥、夜半亭など。画号は四明、朝滄、長庚、春星。晩年は謝寅。十代の頃江戸に下り、早野巴人に入門。巴人の歿後は諸国を放浪したのち、京都に定住する。池大雅との競作「十便十宜図」後、俳風、画風が変化する。蕉風復興を提唱し、近代的で新鮮さに富む独自の俳画を確立した。
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加島美術
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